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ありがとうって言える人 ありがとうって言える人

秋山さんがこのアルバイトを始めたきっかけは就活を前に「引っ込み思案な性格」を直したく、営業の経験をしてみたかったからだそうです。
秋山さんがどの様に引っ込み思案な性格を克服したのか、お話を伺いました。

スタッフインタビュー

漠然と、他人の大人は
「怖い」・「厳しい」ものだと思ってた

Q:いきなり営業は荒治療かも…なんて抵抗はありませんでしたか?
A:はじめは、見ず知らずの人の家にいきなり訪問するのはとても緊張しました。けれど、社員の方や先輩もフォローしてくれたので、経験を重ねていくうちに慣れましたね。
普段、家族を除いて大人の方と接する機会はなかったので、無根拠に漠然と大人は「怖い」・「厳しい」ものなんだと思っていました。
ですが、いろいろな方と接するうちに、優しい人もたくさんいることに気が付きました。

素敵な大人に私もなりたい

Q:印象に残っているエピソードはありますか?
A:一人で現場を回り始めてしばらくしたころのことです。初老のご婦人の方でしたが、
あの時の私は、お客様の立場からすれば、いきなりやって来て、緊張で要領を得ない会話をしている不審者だったと思うんです。(笑)
それなのに、私の話をゆっくり聞いて下さり、朝日新聞のお試し読みの了解を頂いた上に、「これからも頑張ってね。応援するわ。」と励ましてくれたんです。
お客様の言葉がとてもうれしかったのと同時に、大人の心の余裕と優しさみたいなものを感じて、とてもカッコよく見えたんです。私もああいう大人になりたいなぁと思いました。

なんてことのない事でも、
誰かを励ますかもしれない

Q:すてきなお客様ですね。そのお客様の様にはなれていますか?
A:まだまだだと思います(笑)
でも、私はその出会いをきっかけに、たとえ赤の他人でも、一過性の関係だとしても、何かできないかと心がけるようになりました。
些細なことで、もしかしたら皆さんにとっては当たり前のことすぎて笑われてしまうかもしれませんが、例えばコンビニの店員さんから商品を受け取るときに「ありがとうございます」と言ったり、外食した時にお店の人に「ごちそうさまでした。美味しかったです。」と言ったりしています。
引っ込み思案な性格な私には初めは勇気のいることでしたが、もしかしたら、相手からすれば何でもないことかもしれないけれど、あの時の私みたいにその一言で励まされた人がいいなと思えたら、できるようになりました。克服というには、ほんとに些細な事ですが(笑)

何かを与えられる存在=大人・社会人
なのかもしれない

Q:とても素敵な事だと思います。就活にも役に立ちましたか?
A:就活が始まり、「大人ってなんだろう?」「社会人ってなんだろう?」と考えることが多い中で、今までの自分は世の中から一体どれだけの応援や励まし、優しさを受け取ってきたのだろう。そして、そのことにどれだけ無自覚だったんだろう。自分は受け取るばかりで、全くそれを返してこなかったじゃないか!という事に気が付いたんです。
自分なりの答えとして、きっと大人とか社会人になるという事は、誰かから受けた善意や価値を受け取るだけではなく、自分も与えられる存在になる事なんだと思いました。
受け取るだけ、ましてや無自覚なのは子供だけが許される甘えなんだって、気が付きました。

受けた励ましの還元が、
良い循環を生み出した

Q:もの凄い成長ですね。
A:ありがとうございます(笑)
就活でも、引っ込み思案な性格を直したくて営業のバイトをしたこと、あるお客様がきっかけで、自分も些細なことでもお礼を言うようにしている事の話は、興味深く聞いていただけたと思います。

Q:引っ込み思案な性格は克服できましたか?
A:完全に克服できたとは言えないですが、私はお礼を言うことから始めて、自然と互いに笑顔になるし、勝手に礼儀正しい人とか、優しい人って思ってもらえる場合もあるし、就活でも評価されるし、いい循環が生まれました。
社会も参加すること、受けた善意を返すこと、それが受け継がれていくことが大事なのかもしれませんね。
これまでは、いつも笑顔でキラキラしている人がうらやましかったり、人前でも流暢に喋ることができる人をすごいとおもったりしていて、そうできることが克服することと思っていましたけれど、今では無理にテンションを上げたり、営業トークを流暢に喋ることだけが克服方法ではないんじゃないかなと思っています。